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中東の小国カタールが、サウジアラビア、エジプトを含むアラビア半島の国々から、突然国交断絶宣言を受け、今大変な窮地に陥っています。

その国交断絶の理由が、カタールへの嫉妬が理由で、まるで「アラビア諸国によるイジメ」のような物だというではありませんか?

国交断絶でカタールはどういう目にあっているのか、またそれに伴う世界経済への影響や、2022年に開催が予定されているワールドカップはどうなるのでしょうか?

まずは、カタールという国のご紹介からスタートしていきます。

カタールとはどんな国?

カタールという国名は聞いた事があったものの、あまり細かい事は知らなかったのですが、実はすごい国だという事がわかっておどろきました。

カタールの面積と人口

カタールは、中東の中でも小さい国で、面積は11,472平方キロメートルで日本の秋田県位の大きさです。(下の地図のオレンジ色の部分がカタールです)。

カタール、国交断行、理由、影響
画像:wpclipart

また、人口は約230万人で、日本だと名古屋市の人口と同じ位になります。

カタールは中東で1番お金持ちの国

カタールがラッキーだったのは、小さい国なのに資源が豊富な事でした。

石油もあるし、液化天然ガスの輸出量は世界第二位なので、実は中東で1番お金持ちの国だったのです。

ゴールド
画像:pixabay

2016年のデータになりますが、カタールの一人当たりのGDPは約6万ドル(US)で世界第6位なのです!

ちなみに、アメリカは第8位(約5万7千ドル)、なんと日本は第22位(約3万9千ドル)でした…。

参考として、GDPとは国民総生産の略で、日本はGDPのランキングでは世界第三位ですが、この一人あたりのGDPというのは、GDPを人口で割った数字になるので、本当の豊かさを示す指数になるのです。

カタールでは無料が当たり前

カタールでは、信じられない事に、無料で色々なものが提供されるのです。

電気代、水道代、ガス代、電話代も無料。 また、消費税も所得税も払う必要がありません。

それに、学校も幼稚園から大学までの学費もタダ。 病気になっても医療費はタダなのだそうです。

アメリカみたいに、医療費が滅茶苦茶高い国から考えると、本当に羨ましい限りです。

とにかくお金が有り余っているのでしょうか? 生活していくのに、ほとんどお金がかからないですね。

ぜいたくをしないのなら、食費さえあれば、とにかく生活できそうな国なんですね。

今回のアラビア諸国からの国交断絶の詳細

カタールへの国交断絶を宣言した国

国交を断絶する事を宣言した国は、サウジアラビア、エジプト、UAE、イエメン、バーレン、リビア、モーリシャスの 8カ国です。

その中でも、黒幕の「サウジアラビア、エジプト、UAE」が言い出しっぺで、他の国々はそれに従ったようです。

国交断絶の内容

具体的に、カタールはどのような仕打ちを受けているのかというと

  • カタールとの往来を停止
  • カタールへの食物供給停止
  • カタール住民の国外退去

などになります。

カタール 国交断絶
画像:pixabay

順番にそれを見ていく事にしましょう。

カタールとの往来を停止

カタールとの行き来が全くできなくなってしまうという事です。

これは、空の航空機、車や徒歩で国境を超える事もできないし、海路でも行く事ができなってしまう、いわゆる「陸の孤島状態」なのです。

たとえば、飛行機へどこか別の国へ行こうとしても、隣のサウジアラビアなどの空域をどうしても通ってしまいますよね。

カタール、国交断絶、影響
画像:pixabay

また船だってそうです。 どうしても通らないと行けないではありませんか。

それも禁止するって事なんです。

カタールへの食物供給停止

カタールの食物の40%は、サウジアラビアから購入していたようなので、これがストップしてしまうという事は、食べ物が足りなくなるという事です。

40%という事は、ほぼ半分近くが供給されなくなるって事なんですね。 想像するだけでも恐ろしい事です。

こういう事があるからこそ、食物を自国で作るのはお金がかかって高くつくとしても、続けなければならない、って事なんだな〜と、日本の事を思いました。

それに、水の供給も減って大変な事になるような状況のようですので、多くの人が早めにお店に食料を買い求める状況が続いているようです。

アラビア諸国以外の、別の国々がそれをヘルプする事はできないものなのでしょうか?

カタールの人々の生活の事がとても心配ですね。

カタール住民の国外退去

また、カタールとの国交を断絶した国々にいた、カタールの人々を国外に退去させる事になったようです。

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カタールと国交断絶をした理由

国交断絶の内容、知れば知るほどひどい内容ですが、突然何故そういう仕打ちにでたのでしょうか?

表向きの理由

その理由は二つあって、

  • カタールがテロ組織「ムスリム同胞団」を支援している、テロリスト支援国だという事。
  • イランと融和政策を持っているという事

のようです。

でも、それを言うなら、サウジアラビアこそが、ISやアルカイダ、タリバンなどを金銭的に援助している、最大の支援国なのではないですか?

たまたま「ムスリム同胞団」は、サウジが支援していなかったのをイイことに、いちゃもんをつけているのです。

また「イランとの融和政策」というのも、カタールの持つ海底油田がある場所が、イランと半々の場所にあるために、イランとは敵対するのではなく、きちんと話をする必要がある、という事だけのようなのですが、それについて、シーア派であるイランと仲良くしている、と言いがかりをつけているのです。

つまり、これらはただの言い訳にすぎず、カタールに因縁をつける理由を見つけたかっただけにすぎないようです。

では、国交断絶の本当の理由とは、一体何だったのでしょうか?

本当の理由はカタールへのイジメ

元々は、結構新しくて小さい国だし、特に大国のサウジアラビアによく従う「かわいい弟分」のような存在だったのです。

ところがいつの間にか、小さな国なのに、お金持ちになり、自分たちの手から離れ、自由なやり方で勢力を伸ばして、どんどん欧米寄りになってきた事に嫉妬を感じ始めたのです。

カタールの事が「目の上のたんこぶ」のような存在になってきていたのです。

特にどんな点が腹がたったのか、2つを例にとって説明します。

カタールのイスラム教は少し緩め

イスラム教というと、一般的に戒律が厳しいイメージがあります。 すぐに思いつくだけでも、お酒はだめ、女性は人前に出る時は黒い被り物をしなければならない、等など。

イスラム教 カタール
画像:pixabay

特にサウジアラビアは、イスラム教の中でも特に厳しい国で、女性は車の運転もできないし、外出も一人ではできない等、女性の人権も認めていないような所があるようです。

カタールも、他のアラビア諸国と同じように、イスラム教多数はのスンニ派を国教としていますが、サウジアラビアに比べると、カタールのイスラム教の戒律も少し緩めのようです。

たとえば、外国人はお酒も飲んでもいいようですし、女性が運転するのも大丈夫みたいです。

アラブ社会で唯一公正なメディア「アルジャジーラ」を持つ

また、アラブ社会の中で、唯一、公正に機能しているニューステレビメディア「アルジャジーラ」は、カタールにあります

他のアラビア諸国のテレビメディアはというと、大国サウジアラビアへ気を使った、中身のない放送をしているものばかりなので、この「アルジャジーラ」だけが、本来のマスコミの働きをしているメディアだと、世界からも高い評価を受けています。

こういった、カタールの欧米的で革新的なやり方を、サウジアラビアはどうも気に入らなかったみたいようです。

それで、他の諸国を巻き込んで、カタールを村八分する事にしたのです。

アメリカのトランプ大統領が影響?

ただ、不思議なのは、今までずっとカタールに対して不満を持っていたのに、何故今の時期に、突然こんな大きな制裁を起こしたのか?という事でした。

そこにはなんと、2017年5月のトランプ大統領のサウジアラビア訪問が大きく影響していたのです。

トランプ大統領 サウジアラビア訪問
画像:pixabay

トランプ大統領が、サウジアラビアを訪問した時に、国王とも会談し意気投合した事は大きく報道されました。

「ISとイラン」を、最大の敵国である事に同意し、サウジアラビアに対し、約12兆円ものアメリカの武器の売却を決め、それに伴うアメリカのサウジへの軍事サポートを約束したりしたのです。

つまり、アメリカからの絶大なサポートを得た事で、中東の覇者として自分たちは何をしてもいいのだ、とサウジアラビアに勘違いさせた事が、今回の出来事を招いた可能性があると言われているのです。

アメリカは、カタールに中東最大のミリタリー基地があるのです。

それなのに、トランプ大統領はカタールとの国交断行を支持するようなツイッターを送ったというではありませんか?

一体何を考えているのでしょうか?

今後の世界経済への影響とサッカーワールドカップの開催は?

カタールの国交断絶の影響は、カタールのみならず、世界中に影響する事が懸念されています。

特に、カタールは石油や液化ガスを大量に輸出しているため、その経路が国交断絶のために閉鎖されてしまっては、輸出する事もできなくなる可能性があり、それらを購入している国々の経済に大きな影響が出てくる可能性があります。

日本もその内の一つであるだけに、とても心配ですね。

また、2022年にカタールでワールドカップはどうなるのでしょうか?

サッカー ワールドカップ
画像:pixabay

今から5年先とは言え、もしこのまま国交断絶が続いて、近隣諸国との関係が良くならない限り、ワールドカップを開く余裕などできないような気がします。

トランプ大統領の「軽はずみ」な行動が、今回のような大きな問題を起こすきっかけになったのだとしたら、ちょっと考えてもらわないと困りますね。

どうにか、今回の問題を早く収束するように動いて欲しいものです。


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