2017年の映画「パピヨン」(原題:Papillon)は、無実の罪で、南米ギアナの刑務所に送られたフランス人男性が、不可能と言われていた刑務所から脱出するまでを描いた壮絶な実話の映画化で、約1973年のスティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンでも映画化された、名作のリメイク版。現時点では日本での公開予定は未定です。

実話とは思えない壮絶なストーリーで、刑務所を脱獄したフランス人のアンリ・シェリエールの実話小説は、世界中で大ベストセラーになりましたが、全てが実話ではないとも言われています。

今回の映画「パピヨン」リメイク版のオリジナルとの比較や、あらすじ・感想に加え、実話ではないとはどういう事なのか? 映画のモデルで原作者のアンリ・シェリエールの生涯についてもご紹介していきます。

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映画「パピヨン」リメイク版 キャスト

映画「パピヨン」リメイク版キャスト
【監督】 マイケル・ノーア
【原作】 アンリ・シェリエール 「パピヨン]
【出演】
アンリ・シェリエール(パピヨン):チャーリー・ハナム
ラミ・マレック: ルイ・ドガ
ローランド・モラー: セリエ
トミー・フラナガン: マスクド・ブレトン
イブ・ヒューソン: ネネット
マイケル・ソーシャ:ジュロ

2017年作品 映画「パピヨン」リメイク版 原題:Papillon
★IMDbスコア:6.8

映画「パピヨン」(リメイク版)のあらすじ

あらすじと感想には「ネタバレ」が少し含まれていますのでご注意下さい。


フランスで金庫破りの盗みをしていたパピヨンことアンリは、自分とは関係ない殺人罪の濡れ衣をきせられ、終身刑で刑務所にぶちこまれた。

その後、何百人もの囚人は南米の赤道直下にある、フランス領ギアナの刑務所へ送り出される事に。

南米行きの船の汚い船底にギュウギュウ詰めにされた、パピヨン他囚人たち。

囚人の中に、贋金作りで刑を受けたひ弱そうな男ドガがいた。

パピヨンは「自分がお前を守るから、その見返りとして脱獄時の資金を調達して欲しい」と持ちかける。

最初は強気で「ボディーガードなんていらない。自分のことは自分で守るから」と言っていたドガだったが、船の自分の隣に寝ていた男が、同じ船に乗っていた別の囚人にナイフで殺され、お金を奪われるという事件が発生したのを見て、恐れおののく。

「次に殺されるのは俺だ…」

ドガは慌てて、パピヨンに自分のボディーガードをして欲しいと申し出て、二人の間に持ちつ持たれつの関係が築かれる事になった。

さて船は、ようやく南米ギアナへ到着。

南米 地球儀 地図
画像:pixabay

ギニアは赤道直下の熱帯。暑い荒れ地の中に刑務所はあった。

刑務所へつくなり、囚人たちは、刑務所の看守にこう宣言される。

「もし脱獄しようとしたら、独房へ2年。
二回目の脱獄は、独房へ5年。
もし誰かを殺したら、ギロチンの刑だ」


タコ部屋のようなぎゅうぎゅう詰めの場所に入れられ、昼間は過酷な肉体労働を課せらる日々。

パピヨンは脱獄をしようと計画する。

囚人たちの所へやってきた塀の外の男に、船を出してもらえないかと依頼した。

男の船がある場所を聞いたパピヨンは、そこまでなんとか辿り着くが….

この後は、是非映画をご覧下さいね。

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映画「パピヨン」リメイク版の感想

映画「パピヨン」1973年のオリジナルとは?


1973年の「パピヨン」と言えば、今回と同じ実話を映画化した作品で、主演のパピヨンを今は亡き名優のスティーブ・マックイーンと、贋金作りの友人ドガをダスティン・ホフマンが演じました。

もう約45年前の古い映画ですが、哀愁にあふれたジェリー・ゴールドスミス作曲の主題曲もとても有名です。

スティーブ・マックイーンの演じたパピヨンは、男っぽくストイックさが魅力の主人公。

一方、ダスティン・ホフマン演じるドガは、ずるくてひ弱で見ていて頭に来る事もあるけど、でも人間臭さが溢れる男。

そんな対照的な二人の男の友情が、映画「パピヨン」のテーマとして根底に流れていたからこそ、ただの脱獄モノではない、素晴らしい感動の映画になったのです。

それだけに、今回の「パピヨン」のリメイク版がどういう出来栄えになっているのかとても興味がありました。

映画「パピヨン」リメイク版の出来栄えは?

各シーンはすごい迫力

囚人同士の殴り合いのシーンとか、刑務所、船の中、独房の中の様子など、その他各シーンがすごくリアルで、作り物っぽくないのに驚きました。

実は、この映画のマイケル・ノーア監督は、ドキュメンタリーフィルムの出身なので「リアルさを表現する」点で、強いこだわりを持っているのです。

たとえば、囚人が暗く汚い船の中でナイフで殺されるシーンでは、殺された人のお腹から〇〇が出てきたりと、見るのが怖いような感じでした。

また、ギロチンで囚人が処刑されるシーンもかなりリアルで、まるで映画がドキュメンタリーフィルムであるかのような緊迫感を与えていて、そういう点はすごくいいと思いました。

刑務所や独房を忠実に再現

刑務所 暗い
画像:pixabay

刑務所や独房のシーンもとてもリアルでした。

映画の最後に、かつてフランスから南米のギアナへ送られる何百人もの囚人が船に乗り込む時の様子や、ギアナの刑務所内の様子、独房などの写真が映されたのですが、それが映画に登場したシーンと同じような感じだったのには驚きました!

刑務所は、ヨーロッパのセルビアのベオグラードでの撮影なのですが、歴史上存在したものを見事に再現していたんですね。

やっぱりドキュメンタリーフィルム出身の監督ならではのポイントですね。

刑務所のトイレがリアルすぎてびっくり

トイレ サイン
画像: pixabay

中でも私が一番注目したのは、刑務所のトイレの様子です。

これまでも他の映画でも刑務所のトイレが出てきた事があったけど、この映画ほどリアルだったのは初めてです。

何がリアルって、その汚い感じが実際もこんなにひどいのか?と感じさせるので、映画を見ている時もちょっと画面を手でふさぎたくなる程でした。

こういうのを見ると、刑務所に入るような悪い事だけは、絶対にしないでおこうと思いますね(笑)。

チャーリー・ハナムの演技力の無さが残念

映画の映像はとても迫力があったし、主役のチャーリー・ハナムもとても素敵でした。

でも、映画を見終わった後、心に響いてくるものがなかったその一番の理由は主役のチャーリー・ハナムの演技力の無さだったように思います。

そこが、オリジナル版「パピヨン」との大きな差なのです。

たとえば、パピヨンは何度も脱獄しようとして、でも失敗して独房に入れられます。

でも、独房に入れられて大変なんだな…というのが、映画を見ていてもあまり感じられないのです。

チャーリー・ハナムは、独房に入れられていた後のシーンのために、約17キロも減量したそうなのですが、それさえも、あまり気が付かない程でした。

だから、映画に感動が生まれてこないんですよね。 これが一番残念でした。

パピヨンとドガの友情が表面的

オリジナル版では、パピヨンとドガの友情が重要なキーポイントであったという点については、先に述べた通りですが、それがリメイク版ではほとんど感じられなかったのです。

パピヨンがドガのボディーガードになる事を決めて、パピヨンがデビル島から脱獄を成功させるまで、二人の間には特別な友情があったのですが、何故二人がそこまで深い絆で結ばれる事になったのか、それがよく理解できないまま映画が進んでいくのです。

この二人の友情が、映画「パピヨン」の肝心かなめの部分なのに、その描き方がとても薄っぺらなのが残念でした。

やはり、主演のチャーリー・ハマムの演技力の演技力の無さが、ここでも響いているのは間違いありません。

でも、友達のドガを演じたラミ・マレックは、演技力という点ではずっと良かったと思います。

次のページでは、主役の二人の意外な共通点や、実話であるはずの「パピヨン」の隠された真実をご紹介します。



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