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映画「スウィート17モンスター」感想
アメリカの高校生は外見と中身のギャップが大きい
ネイディーンって、第三者的に見ると、結構可愛くて魅力的なのに、自分にあまり自信がないもんだから、ちょっと面倒臭いタイプの女の子です。
人気者の兄と自分をいつも比較して、自分が劣った存在のように思ってしまっているのです。
自分の親友が、兄と付き合っていることだって、そんなに怒らなくたっていいのにな〜って思います。
そんなに、肩肘はって自意識過剰にならなくても、もっと自分の気持ちに素直になればいいのに、どうしてできないんだろう〜って、見ていて結構イライラしてしまったけれど、そう言えば、自分もこんな風にたわいのないことで悩んでいたんだな、ってことを、ふと思い出しました。
ところで、アメリカの高校生って、日本の高校生に比べると、みんなすごく大人っぽく見えると思いませんか。
背格好が大きいし、制服じゃなくて、私服を着ているから、ぱっと見では日本の大学生位の年代風に見えるし、声のトーンも全体的に低めだから、成熟したイメージがありますよね。
でも、内面はかなり子供っぽいし、またハチャメチャぶりも半端ないので、そのギャップにちょっとびっくりさせられます。
アジア系の俳優が登場した意義
この映画で、特筆すべきなのは、アーウインの存在です。
アーウインを演じているのは、ヘイデン・セトという、バンクーバー出身の中国系カナダ人(ハーフ)の俳優。
画像:pixabay
こういうハリウッド製作の青春映画の中に、アジア系の子が重要なメインキャラとして出て来ることって、実はすごく珍しいことなんです。
アジア系の俳優って、悲しいけれど、やっぱり今でもカンフー系アクションとかに出て来ることはあっても、こういう普通の映画のキャラクターには中々採用してもらえないのです。
話題のSFホラー映画「ライフ(2017)」に、メインキャラクターの宇宙飛行士の一人として出演した真田広之さんも、ハリウッドでアジア系としてやっていく事の難しさを語っていました。それについてはこちらからどうぞ。
ほら、黒人は、アカデミー賞でも「白人ばかりがノミネートされて不公平だ!」とかよく文句言っていますけど、だったら、アジア系はどうなるのでしょうね?
アジア系は、アカデミー賞はおろか、ハリウッド映画に出演することさえ滅多にないんですよ。
本当はアジア系の俳優だって
「ハリウッドは白人と黒人の役者ばっかりだ! もっとアジア系の俳優も採用すべきだ!」
って、抗議してもいいと思うんですけどね(苦笑)。
画像:pixabay
そういう意味でも、今回みたいな青春映画に、アジア系の若い男の子が出てきたことは、私にとっては嬉しい驚きでした。
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映画プロデューサーのリチャード・サカイ氏とは?
映画の最後に出てくるクレジットを見ていた時、製作者の名前を見ていて気がついたのは、プロデューサーの一人に、リチャード・サカイ(Richard Sakai) という名前があったことです。
なんと、リチャード・サカイには、この映画の撮影中に専属のアシスタントもいたらしく、その名前もしっかりと、クレジットタイトルに出ていました。
え〜!一体何者なんだろう? と思って調べてみると、リチャード・サカイは、アメリカで活躍している日系アメリカ人の大物プロデューサーで、テレビアニメのシンプソンや、数多くのハリウッド映画も手がけてこられた方のようですよ。
ハリウッドに、こんな大物の日系人プロデューサーが活躍されていたなんて、うれしい限りです。
それ以外にもプロデューサーの名前に、中国系の名前がいくつかあったので、もしかしたら、それがアジア系の男の子がメインのキャストに選ばれたことの理由だったのかもしれないな?と思いました。
そうでなかったら、あのアーウインの役は、白人以外の人種が演じるなら、確実に黒人かヒスパニック系に奪われていたこと、間違いありません。
ハリウッドは、すごいコネ社会だと聞いています。
大物プロデューサーのリチャード・サカイ氏にお願いして、日本人の俳優をもっとハリウッド映画に出演させてもらえたらうれしいんですけどね…。
映画「スウィート17モンスター」の評価は?
全然期待しないで見たのですが、結構面白かったですよ。
面倒臭い主役の高校生ネイディーンの回りにいる人達の言動など、考えさせられるものもあったせいかなと思います。
主役のネイディーンを演じていた ヘイリー・スタインフェルド も中々良かったです。
評価は B です。
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