マクドナルドハンバーガーのフランチャイズ化
長い間セールスマンをしていたレイには、儲かる商売に対する「動物的な直感」がありました。
これはいける!と閃いたのです。
半ば強引に、マクドナルド兄弟と、全米に「マクドナルド兄弟のハンバーガー店」をフランチャイズする契約を結びました。
でも、もちろん最初からフランチャイズ化がうまく進んだわけでなかったのです。
自分が必死でフランチャイズのお店を準備しても、お店の経営権はオーナーにあって、レイに入る収入は1.5%のみ。
フランチャイズを広げれば広げるほど、赤字になるという悪循環に陥いっていました。
画像:ぱくたそ
そんな時、レイは、マクドナルドハンバーガーのファンだという、あるビジネスマンと出会いました。
彼はレイに、「レイ自身が土地を購入し、そこにマクドナルドのお店を建て、レイ自身が経営権を握る方法に切り替えるべきだ」 とアドバイスします。
レイはそれに従う事にしたのです。
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マクドナルド兄弟との契約を破棄するための条件とは?
レイは、自分が経営するお店を作っていくために会社も設立し、マクドナルドの支店を全米各地にどんどん拡大させる事を見事成功させました。
でも、自分が全ての利益を握るため、ネックになってくるのが、マクドナルド兄弟と最初に結んだ契約でした。
そのため、何が何でもその契約を破棄する必要があったのです。
最終的に、レイはマクドナルド兄弟と結んだ契約を破棄させる事に成功します。
契約破棄を受け入れるため、マクドナルド兄弟がレイに出した条件は以下の3点でした。
- 2,700,000ドルを払う事
- 今後、会社の利益の1%を払い続ける事
- マクドナルド兄弟の第一号店の経営権は引き続き保有する事
その3点について一つづつ見ていく事にしましょう。
【1】 2,700,000ドルを払う
当時、1960年代前半の頃でしたので、2,700,000ドル(日本円で約2.7億円)という金額はとんでもない莫大な金額です。でも、レイはその条件をのみ、マクドナルド兄弟に全額支払いました。
【2】 会社の利益の1%を払い続ける
もし、これが実際に支払われたとしたら、かなりの金額をマクドナルド兄弟は受け取る事ができたはずです。でも、レイ・クロックは、これを支払わないまま上手にごまかしたのです。
その条件をを書面には記さないまま、握手だけで取り決めたようなふりをしたのです。
このあたりが、レイ・クロックの抜群の商才を示していると思います!
結局、会社の利益の1%が、マクドナルド兄弟に支払われる事は一度もなかったようです。
【3】 マクドナルド兄弟の始めた第一号店の経営権を保有する
さて、最後の「マクドナルド兄弟が始めた第一号店の権利」ですが、これは、要求通りマクドナルド兄弟のものになりました。
ところが、その後のレイの仕打ちはかなりひどいものでした。
その店は、レイからの要求で「マクドナルド」の看板なしで経営する事になりました。
その後、彼等の店の目の前に、レイはわざわざ「マクドナルドハンバーガー」のチェーン店を立ててしまったのです。
客は、当然の事ながら、レイの「マクドナルドハンバーガー」の方に集まります。
結局、マクドナルド兄弟のお店は、数年後倒産してしまいました。
妻と離婚し、他人の妻を奪い結婚
レイは、マクドナルドハンバーガーが大きくなっていく頃、フランチャイズを拡大していく時に出会ったあるビジネスマンの美しい妻に一目惚れし、自分の妻(ローラ・ダーン)と別れ、その人妻と略奪婚してしまいました。
画像:pixabay
別れた妻には、当然多額の慰謝料が払われたようですが、それでも、会社の利益を渡す事だけはしなかったそうです。
また、略奪婚で結ばれた二人は、レイが亡くなるまでずっと一緒に添い遂げたようです。
自分の利益のためなら、他人の事はおかまいなしに、まっすぐ突き進む、レイ・クロックのその容赦ない非情なやり方には、驚きが隠せません。
でもそれには彼なりの深い理由があったのです。
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