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ウッズマンとは一体何者なのか?
ウッズマンとは、体全体が真っ黒なすすで覆われているような、ホームレス風の真っ黒な人の事です。
「新ツインピークス2017」の中でも、要所要所にこのウッズマンが登場してきましたが、この第8話では、ウッズマンが最初から最後までずっと登場します。
外見も声も、とにかくすごく恐ろしいウッズマンは、悪の象徴、特に人々の邪悪の心を集めてできたような存在だから、真っ黒なんでしょうね。
ツイン・ピークスの悪の象徴は「ボブ」で、ボブがサタン(悪魔)その物だとしたら、このウッズマンは「サタン(悪魔)の手先」のような存在ではないか、と思います。
「ボブ」は、自分がそのままの姿で行動する事はなく、いつも誰かの中に入りこみ、その人を操るという形を取るのに対し、ウッズマンは一人ひとりが、そのままの姿で悪いことをするという点で、ボブとは異なっています。
ウッズマンの発した言葉の意味
今回、ウッズマンが何度も何度も発した奇妙な言葉がありました。
“This is the water and this is the well.
Drink full and descend.
The horse is the white of the eyes and dark within”
「これは水でこれは井戸だ。
この井戸の水をタップリ飲んで、下に行け。
その馬は目が白く、悪が広がっている。」
(日本語訳は私の訳なので、滅茶苦茶かもしれません。)
イエス・キリストが言われた言葉に、
「わたしが与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます。」【ヨハネ4章13〜14節】
がありますが、この水とは、神を信じた人に与えられる聖霊の事を意味しています。神が自分の中に住んで、神と同じ清い性質を持つ事なんです。その水は泉のようにコンコンとわいてくるので、尽きる事はないのです。
一方、このウッズマンの言葉はこれと正反対で、
「この井戸の水を飲んで、俺のように堕落しろ。」と言っています。
その水も泉ではなく、地の底にたまっているよどんだ「井戸の水」で、それ自体が悪を意味しています。それを飲んで、自分のように堕落しろ、と言っているのです。
何故「馬」という表現を使うのかはわかりませんが、
ウッズマンは、人を殺している時、目が白くなっていました。
ウッズマン、とにかく直視できないような怖い存在です。
たくさん湧いてくる所や、色の感じが、ちょっとゴキブリ風でもありますね。
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ウッズマンはマルホランドドライブにも出ていた
デビッド・リンチ監督の2001年の映画「マルホランド・ドライブ」は、今作品でも、ドギージョーンズの妻役として登場している、ナオミ・ワッツがアカデミー主演女優賞にノミネートされた、ツイン・ピークスに繋がるとても怖くて面白い作品なのですが、実はこの映画の中にも、真っ黒なホームレスのような人が出てくるのです。
実は、真っ黒なホームレスが出てきた時、私は怖くて目を開いて見ることができなかったのですが、今から思えば、あれもウッズマンだった事がわかります。
ホームレスだから、お風呂に入ってなくて、それで真っ黒なのか?と思っていたのですが、実は暗闇からぬーっと出てくる感じ、人の真っ黒な邪悪な心の化身だからだったんですね。
悪のクーパーが復活
悪のクーパーが銃でやられた時、これで悪いクーパーがいなくなった、ととてもうれしかったんですけど、ウッズマンが何人も出てきて、彼を悪の力で癒してしまったのです。
癒し方がとても気持ち悪くて、お腹の中から悪の化身「ボブ」の姿も出てきていました。
クーパーを殺しかけた、レイと言う男、今後どうなるのでしょうか?
女の子の口にはいった邪悪な生物は?
ツイン・ピークスに出てくる邪悪な存在は、どれも本当に気持ちが悪いものばかりなんですけど、核実験の結果生まれた「羽根のあるカエルのような生き物」も、とにかく醜悪なんです。
この生き物、長さ約15cmで幅も約10cm位ある、結構大きいものなんですけど、それが、なんと寝ている女の子の口の中に入っていって、女の子はそれをごくりと飲んでしまうんです。
あの生き物も「悪の象徴」で、ウッズマンが操っている生物のような気がするので、女の子が悪の化身に変化していくという事なのかもしれません。
ただ、生き物が口に入っていったシーンの舞台は「1956年」です。
もし、あの女の子がそのまま生き続け、2017年でも生きているとしたら、恐らく76歳位の年齢になっているはずです。 だから、彼女がどうツイン・ピークスのドラマに関わってくるのかは、全く読めません。
新ツイン・ピークス2017の第8話のまとめ
【数量限定特別版】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ Blu-ray BOX
今回のような「セリフのない実験的なシーンを映像で流し続ける」というのは、ツイン・ピークスだからこそ実現できたんだろうな…と思います。
デビッド・リンチ監督と、共同制作者のマーク・フロストは、テレビ局側と自分たちのやりたいように今回の作品を作らせてもらうように、ちゃんと契約を結んでいたにちがいありません。
もしも、初めてツインピークスを見る人が、この8話からスタートしたら、恐らくびっくりしてこれ以上見るのをやめてしまうかもしれないですね(笑)。
ネット上では、「この第八話は素晴らしい」という意見が大多数なんです。
デビッド・リンチが好きかどうかの、リトマス試験紙的なエピソードだったのではないか?と私は感じています。
え、私はどう思ったか?ですか?
そうですね、興味深かったけど一度見るだけで十分かもしれませんね(笑)。
まさか核実験が、ツイン・ピークスに登場している「悪」を生み出す恐ろしい力の源であった、という内容にはちょっとびっくりしました。
原爆を世界で唯一落とされた国である「日本人」としては、原子力爆弾がどれだけ恐ろしい存在であるかはよくわかっているつもりです。
今、北朝鮮が核実験をしようとしている中、デビッド・リンチ監督も、そういった行為がどれだけの被害を生み出す「大きな悪」であるのかという事を、ツイン・ピークスを通じて世界中の人々に知らせようとしてくれているのかもしれません。
新ツイン・ピークスの第一話から最終話までの毎話ごとの【あらすじとネタバレ感想】は、こちらからどうぞ → 【新ツイン・ピークス2017】あらすじと感想まとめ
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