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アダム・ドライバー主演、ジム・ジャームッシュ監督の癒やしの映画「パターソン」(原題:Paterson)、見終わった後も心がジワジワと癒やされていくような素晴らしい映画です。日本公開は 2017年8月の予定です。
日本人にとってはうれしいサプライズで、俳優の永瀬正敏さんが、重要な役で最後に出てきますよ。
映画「パターソン」のあらすじと感想(ネタバレ有り)でご紹介しますので、ご注意下さいね。
映画「パターソン」あらすじ
ニュージャージー州のパターソン市に住む、バスドライバーのパターソン(アダム・ドライバー)は、明るくて可愛い妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と、フレンチブルドッグのマービンと、質素に幸せに暮らしています。
朝、目覚まし時計もないのに、7時少し前に静かに目覚めると、軽い朝食を食べて歩いて仕事に向かうパターソン。
仕事を終えて妻との夕食後、ブルドッグのマービンを連れて散歩に出かけるのが日課です。
そこで、必ず行きつけのパブに寄って、ビールを一杯飲みながら、パブのオーナーや常連客との時間を過ごします。
画像:pixabay
パターソンは、詩を作るのが好きで、思いついた時にノートに書き留めています。
そんな或る日、パターソンはローラと一緒に映画を見に行くのですが、帰ってくると、自分の詩のノートが、ズタズタのボロボロに破壊されていました。
どうやら、ブルドッグのマービンがやったようです。
大切なノートを滅茶苦茶にされてしまったパターソンは、内心ショックを受けながら、一人で散歩に出かけます。 グレートフォールズの前のベンチに座って物思いにふけっている時、見知らぬ不思議な日本人の男性(永瀬正敏)と出会って…。
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映画「パターソン」感想
パターソンとはどんな人なのか?
ニュージャージー州のパターソン市に住む、パターソンという名前の男性と妻と犬の、何気ない1週間の生活を描いた静かな作品です。
大きな事件は特に起こらずに、ただただ、優しいパターソンの規則正しい生活が描かれているんです。
この映画を見終わった後、自分の心が癒やされているような、不思議な感覚におそわれました。
パターソンは、背が高くてイケメンなのに、今風の若者とはかけ離れているちょっと不思議な男性で、今人気の若手俳優のアダム・ドライバーが、ものすごく素敵に演じています。
とにかく物静かで、感情の起伏があまりなくて、何があっても物事に動じない、いつも静かで微笑んでいる、そういうタイプの方です。
妻との関係も良好で、仲のいい二人を見ているだけで、心がほのぼのしてくるような感じです。
パターソンの仕事は市内を走っているバスのドライバーです。
彼の同僚のドライバー(インドか中近東からの移民風の人)は、何かしらいつも問題があるらしくて、それをパターソンに話したくてウズウズしているような人なのですが、それとは対照的にパターソンはいつも静かで、バスを出発させる前も静かにノートに詩を書いているのです。
本当に2017年を生きているの? と思わせる位、コンピュータとかスマホとかそういう物には全く関心も興味もないようです。
見ている限りでは、今の自分の人生への不満も怒りもなさそうな人なのです。
一方、妻のローラはスマホもIpadもコンピュータも使っているようです。
ただ好きな詩をノートに書き留め、パブでビールを一杯飲む一時に幸せを感じている。ちょっと浮世離れしたタイプ、と言えばそうなのかもしれません。
彼が好きな「詩」を、そのまま人間にしたような人です。
たとえば、運転していたバスが突然電気系統の問題か何かで、道で突然止まってしまうという事態に遭遇しても、彼は慌てずにただ静かに問題を解決しようとするのです。
バスが止まった事を伝えるための、携帯電話を持っていなくても、乗客の子供からスマホを借りて、何事もなかったかのようにスムーズに対応ができるのです。
連絡するための電話がなかったら、自分だったら滅茶苦茶焦ってパニックモードになりそうだけど、こんなに落ち着いたバスのドライバーだったら、お客さんも不安がなくて安心できるだろうな…と思いました。
現在のように凶悪な事件が世界中で起こっていて、それが秒刻みでネットに投稿され、私たちの心の中は、あまりにも多くのネガティブな情報でかき回されている、そんな時代だからこそ、パターソンという人、静かで平和そのものの人の存在に、すごい癒やしを感じます。
監督のジム・ジャームッシュは、こういう世の中だからこそ、もっと心に平和を持って行こうよ、そうすれば人生そのものを変える事もできる!って事を伝えたかったのかもしれません。
映画「パターソン」のアダム・ドライバーが素敵!
ところで…アダム・ドライバーって、この映画を見るまで、心の奥底に不満とか怒りをくすぶらせているようなタイプの人間なんじゃないか?と、勝手に思っていたんですけど、このパターソンを見て、自分の思い込みが完全に間違っていた事を発見しました。
映画「沈黙-サイレンス」で、ポルトガルからのイエズス会の宣教師の役の時よりも、今回の静かで癒やし系のパターソンの方がずっと彼のキャラクターに近いものなのかもしれない、と勝手に想像しています。
アダム・ドライバーの宣教師ぶりがどうだったのか、こちらもご参考にして下さいね。
犬のマービンが詩のノートをボロボロにした理由は?
淡々としたこの映画で起こった、1番大きな事件はブルドッグのマービンが、パターソンの大切な詩のノートをボロボロにした事でした。
画像:pixabay
私の中でこれが1番不思議な事でした。
どうして、マービンはそんな事をしたのでしょう…?
でも、よく考えてみるとその理由がわかりました。
実は、マービンとパターソンの関係は、あまり良好じゃなかったのです。
何故なら、仕事が終わった後、毎日パターソンはマービンを散歩に連れていくけれど、でもパターソンはその途中、必ずパブでビールを一杯のみにいくのです。
その間、マービンは毎回30分から60分位の間、パブの外で必ずじーっと待たされるのです。
常連さんだし、マービンみたいなおとなしい犬だったら中につれて行っても良さそうな気もするけど、でもそういう習慣になっているようでした。
マービンはこれに腹が立っていた可能性があります! 犬だから何も言えないけれど、心の中でずっとそれをこらえていた…。
だから、それに仕返しするために、大切なノートを滅茶苦茶にしたのではないか? って想像しています。
続いて、キーパーソンとして登場する俳優の永瀬正敏さんについて、お伝えします。
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