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2017年のアカデミー賞作品賞の候補には、「ハクソーリッジ」、「ムーンライト」、「Hidden Figure」 等、実話をベースにした作品が多かったのですが、今回ご紹介する 「LION/ライオン25年目のただいま」も、同じく実話を映画化した作品です。
今回、作品賞以外にも助演女優・男優賞も含め、全部で6つもノミネートを受けているのだから、きっと感動する内容に違いない!と期待して見たのですが….アメリカで一足先に見てきた私の、本音の「ネタバレ感想」を中心にお伝えします。
映画「ライオン・25年目のただいま」あらすじ
インドで貧しい暮らしをしていた、5歳の男の子(サルー)は、ひょうんな事から家族と離れ離れになり、列車で1500kmも離れたカルカッタ(現在のコルカタ)へ偶然運ばれてしまいました。 ひとりぼっちのサルーは、そのまま家族と会う事もできないまま、カルカッタの孤児院に引き取られる事に。
その後、養子縁組で、オーストラリアのタスマニアへ引き取られる事になり、そこで新しい人生をスタートするサルー。
すっかり家族にとけこみスクスク成長するサルーでしたが、どんな時もインドという自分のルーツを忘れた事のなかったサルーは、20年後に思わぬ方法で、インドの実の母の存在を知って…。
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映画「ライオン25年目のただいま」の背景:インドという社会とは?
実話を元にしているのを意識してか、5歳のサルーが実の兄と別れ離れになった時や、カルカッタの駅での雑踏の様子や、孤児院の中でのシーン等、ドキュメンタリーフィルムを見ているような錯覚を受ける程リアリティがあり、かつ、とても美しい映像でした。
何故、迷子になって家に帰れなかったのか?
もし、これが日本とかアメリカで起こった事だったら、5歳の子が迷子になっても、どうにかして家に帰る事ができたんじゃないのかな…とふと思ってしまったのですが、そこには、インドという国の事情があったのです。
インドには、様々な民族が共存し、言語もその地域によって異なってくるという話は聞いた事があったのですが、調べて見ると、主要な言語だけでも30位あって、マイナーな言語も含めたら、数え切れない程あるみたいです。方言程度の違いだったらいいのですが、全く別の言葉みたいなので驚きです。
一応インドではヒンディー語が公用語ですが、ヒンディー語が話せない人たちのために、英語を準公用語に定めているそうです。そう言えば、インドは元々イギリスの植民地だったので、英語は国民の中に浸透していたんですね。
日本人の「ジャパニーズイングリッシュ」と比べても、インドの英語の方がわかりにくいんじゃないか…と私は秘かに思っています(苦笑)。
さて、この映画の主人公のサルーは、ヒンディー語を話せたけれど、連れて行かれてたカルカッタの言語がベンガル語だったために、言葉が通じなかったのが悲劇でした。
それに、サルーはまだ5歳で、字の読み書きもできず、数を10まで数える事もできず、自分の家族の姓も、住んでいる町の名前さえ知らなかった事も影響しました。
迷子になったのが、インドという一つの国の中であっても、言葉が違えば、外国同然ですよね。
また、インドでは、両親のいない貧しい子も多くいたので、警察があまり動いてくれる事もなく、そのまま孤児院に引き取られる事になってしまったのです。
画像:pixabay
5歳の男の子が、突然家族と別れ別れになって、言葉も通じない所で、孤児院に引き取られるまでは、食べる物も寝る所もなく、一人で露頭に迷っていたそうですから、それを想像するだけでも、どれだけ大変だっただろうと思います。
では次に、「ネタバレ感想」と出演者をご紹介します。
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