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映画では描かれなかったクリストファー・ロビンのその後の人生

男の子, ぬいぐるみのくま
画像: Pixabay

実は映画では、クリストファー・ロビンの余生の全てを描いてはいませんでした。

彼は、その後も波乱に満ちた人生を送る事になります。

父と同じ名門のケンブリッジ大学を卒業したクリストファー・ロビンでしたが、本屋さんを開き、自分の自伝を書き上げる以外は、あまり仕事に恵まれることがないまま人生を終える事になります。

彼は、28歳の頃、母親側の親戚のイトコの女性と結婚しますが、それに両親は猛反対。一体何が原因だったのかは不明ですが、それ以降、両親との交流は途絶えてしまう事になりました。

結婚 指輪 男女の手
画像: Pixabay

その後、父親が病気で倒れたので、何度か父を見舞う為に実家を訪問する事はありましたが、父の死後、母親に会いに行くことはほとんどなかったようです。

そして待望の娘が誕生しましたが、彼女には脳性麻痺の障害がありました。

娘は56歳の時に亡くなっています。

年をへて、クリストファー・ロビンは「重症筋無力症」という病にかかり、75歳で亡くなりました。

映画に出てくるその姿とは対照的に、クリストファー・ロビンの現実の姿は暗くて、あまり恵まれない人生を送ったようです。

映画「グッバイ・クリストファーロビン」と事実とのギャップ

実は、この映画は実話に基づいている事は間違いありませんが、実際のクリストファー・ロビンの人生とは若干異なる点があるので、それを順番にご紹介していきます。

クリストファー・ロビンの母親ダフネは本当に育児放棄していたのか?

新生児の足,母親の手
画像:Pixabay

映画の中では母のダフネは、クリストファー・ロビンの面倒をみる事なく全てを乳母に任せきりの、とんでもない母親として描かれていました。

実際には、映画よりも子供の世話をする母親だったようです。

クリストファー・ロビンは自伝の中で、父親のA.A.ミルンよりも、母親の方が自分の面倒を見て、また一緒に遊んでくれたと書いています。

また、プーさんの物語のアイデアは、実際には、母親からA.A.ミルンへ伝えられたようです。

ただ、そうは言っても、クリストファー・ロビンと母のダフネとの間に確執があった事は確かで、彼が反対を押し切ってイトコの女性と結婚した事に腹をたてていたのか、自分がなくなる直前にも息子に会おうとはしなかったそうです。

一方、乳母のオリーブとは自分の親友として、一生涯にわたり交流を続けたようです。

クリストファー・ロビンは人々から注目を浴びるのが本当に嫌だったのか?

ぬいぐるみのくま 本
画像:Pixabay

映画の中では、クリストファー・ロビンは自分があまりにも注目される事がとても嫌だったと描かれていましたが、当初は、それほど嫌でもなかったそうです。

それどころか、自分の名前がプーさんの本の中に登場して、世界中の人気を集めるようになった事実をとても誇りに思っていたそうです。

ただ、それがすごく嫌になってしまったのは、彼が全寮制の寄宿学校へ入学した8〜9歳以降の事で、学校で自分がクリストファー・ロビンであるために、ひどくいじめられた事が原因だったようです。

いじめは年をとってからも続いたので、大きくなればなるほど、その事実に耐えられなくなってしまったようです。

クリストファー・ロビンは「くまのプーさん」の印税を本当に一銭も使わなかったのか?

映画の中では、彼が「くまのプーさん」の印税は全く使う事はなかったと描かれていたのですが、実際は少し異なったようです。

彼の娘には脳性麻痺の障害があったので、その病気の治療のために、父親が残してくれた印税を少しは使ったそうです。

映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」の感想

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イギリスの全寮制の学校の弊害

あの可愛い「くまのプーさん」の誕生の裏には、こんな話が隠されていた事実には衝撃を受けました。

それにしても、イギリスの全寮制の寄宿学校(ボーディングスクール)って本当に恐ろしいなと思います。

図書館
画像: Pixabay

イギリスでは、上流階級の子息は当たり前のように全寮制の寄宿学校へ入学しているみたいですが、子どもたちばっかりの中で、こんな残酷ないじめがあるとしたら、その子の人生にどんな悪影響が及ぼす事になるでしょうか?

名門の全寮制の寄宿学校へ入学すれば、その後はエリート街道を進む事ができるんだろうなとは思います。

でも、そのために犠牲にすることがあまりにも多すぎるような気がして怖いです。

あの、イギリスのプリンス・チャールズでさえも、かつて全寮制の寄宿学校でいじめられて大変な目にあったようです。やはり、有名人であればある程、そういう危険性があるという事は間違いないみたいですね。

もし、クリストファー・ロビンが、全寮制の寄宿学校でのひどいいじめを受けずに育っていたら、彼の人生はもっと別の方向へ進んでいたかもしれません。

クリストファー・ロビンと両親の間の確執

ぬいぐるみのくま 男の子
画像: Pixabay

イギリスの上流階級にありがちなのは、子供の面倒は乳母に任せて育てさせるという伝統です。

それでも、両親が子供を愛情を持って接すればいいのですが、クリストファー・ロビンの母のように育児放棄してしまうような人だと、本当に悲劇ですよね。

ところで、映画の中では、母ダフネ演じていたマーゴット・ロビーは、最近では実在したアメリカのプロスケーターのトニヤ・ハーディングを演じ、アカデミー賞にノミネートされたりと、現在注目のオーストラリア人の女優ですが、この映画の中での彼女って、性格の悪さ(きつさ)が全面に出てこの役にピッタリでした。

彼女は、一般的には「美人」なのかもしれませんが、女性の立場から見ると、今回の役柄のせいもあるかもしれませんが、「性格の悪さ」ばかりが目立つ嫌な顔のように感じて、美人だとは思えませんでした。

クリストファー・ロビンの子供時代を演じていた、ウイル・ティルトソンはえくぼができて、髪の毛もマッシュルームカット風で、実物のクリストファー・ロビンを彷彿とさせるような、かわいい男の子でした。

映画>映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」のまとめ・評価

いろいろ情報あいうえお 【映画の評価基準】について

私はまず先にプーさんの実写版映画「プーと大人になった僕」を映画館で見てから、この映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」を見たのですが、実話映画の衝撃で、前作の事をすっかり忘れてしまうほどでした。

この映画、残念な事に日本では未公開ですが、2018年10月3日にDVDが発売予定なので、「くまのプーさん」ファンの方も、そうでない方も、ぜひこの映画を見て、あのかわいいプーさんの裏にはこんな悲しい話が隠されていたという事実を味わってもらえたらな…と思います。

というわけで、私の評価はAです。


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