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映画「エイリアン・コヴェナント」は、リドリー・スコット監督の「エイリアンシリーズ」の新作で、日本公開は2017年9月15日を予定しています。
先にアメリカで見てきましたが、実はこの映画の中に、聖書的な要素がたくさん隠されていて、それが映画の根底を流れる重要なテーマとなっている事に気が付きました。
というわけで、今回は映画のあらすじや感想に加え、映画に盛り込まれている「聖書的な内容」を中心に解説していきます。
映画「エイリアン・コヴェナント」のあらすじ
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— Alien: Covenant (@AlienAnthology) May 27, 2017
地球外で人間が住める場所を目指して、コヴェナント号は宇宙を航行していた。
乗組員の一人、アンドロイドのウオルター以外の乗組員は、みんな宇宙船の中で冬眠(睡眠)中だった。
ところが、宇宙物体がぶつかってきて、宇宙船は壊れ、乗組員たちは次々に冬眠から目覚め始めたが、宇宙船のキャプテンだけは、眠っていたチューブの中から出る事ができずに、この世を去る事に。
そんな時、比較的近くの惑星から送られてきている 「カントリーロード」らしい曲のノイズを、宇宙船は受信する。
新しくキャプテンになったオラムは、最初に目指していた惑星へ行くためには、到着まで7年もかかってしまい大変なので、それだったら、近場の人間が住めそうな惑星に行く方が得策だ!と判断し、そのノイズを手がかりに、近場の惑星を目指す事にしたが、実は、その惑星こそが、10年前にプロメテウス号が訪れていた惑星だったのだ。
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映画「エイリアン・コヴェナント」の聖書的解読【Part1】
ネタバレが含まれていますので、ご注意下さい。
映画「エイリアン・コヴェナント」の監督、リドリー・スコットは、無神論者だと言われていて、今回の映画を見てもそれがよくわかるのですが、その割に神をモチーフにした映画をよく作るように思います。
リドリー・スコット監督の、2014年の作品「エクソダス神と王」も、旧約聖書の中に出てくる、モーセの「出エジプト記」を題材にした映画でした。
今回の「エイリアン・コヴェナント」の中でも、映画の重要なテーマに聖書の内容が含まれている事に気が付きました。
それを順番にご紹介していきます。
神と人との間の契約
映画のタイトルにも用いられている「コヴェナント」という言葉が、そのまま本作品の宇宙船の名前にもなっています。
「コヴェナント(Covenant)」とは、神学用語で、「神とイスラエルの民の間に結ばれた契約」の事を意味します。
日本人的には、「神が人と契約を結ぶ」というのが、ピンと来ないかもしれませんが、実は、聖書を一貫して貫いている大きなテーマが「神と人間の契約」という事なのです。
旧約聖書の「創世記」に書かれている通り、神は多くの人間の中から「アブラハム」という、一人のユダヤ人の男性を選び、彼にこれからの人類の将来を託すことにしました。
神は、アブラハムに、これから進むべき土地を指し示し、彼を祝福し、その土地を与える事と、将来アブラハムの子孫が全世界に増え広がる事を約束しました。
これを「アブラハム契約(Abraham Covenant)」と呼びます。
ユダヤ人が神により選ばれた民族である事は、実はここから始まっているのです。
アブラハムは、神が示す通りに、自分が住んでいた土地を離れ、神が約束した「カナン(イスラエル)」の地を目指して進んでいくのですが、それは、コベナント号が地球を離れ、新しい惑星を目指して行くのにそのまま当てはまります。
アンドロイドのデビッドはサタンの象徴
アンドロイドは、人間の手によって、人間に仕えさせるための存在として造られました。
前作「プロメテウス」にも出てきた、アンドロイドのデビッド(マイケル・ファスベンダー)が、今作にも登場します。
ところが、頭脳優秀なアンドロイドのデビッドは、ロボットである自分たちの方が人間より優秀であると思い込み、人間に仕えるなんてまっぴらだ、それより自分が上に立つ存在になりたい、自分も何かを生み出したい、という強い思いを抱くようになります。
その結果、デビッドは自分がまるで神になったかのように、エイリアンを作る事に情熱を傾けていく事になるのです。
これは、聖書の中に描かれている、創造主なる神の元で、一番優秀で美しい下僕として働いていた天使長(アークエンジェル)のルシファーが、神よりも上に立ちたいと、神を裏切り、堕落した結果、サタン(悪魔)になった事に繋がっています。
つまり、この世に悪を生み出した「サタン(悪魔)」をデビッドが象徴しているという事になります。
次のページでは、アンドロイドに「デビッド」という名前をつけた裏に隠された深い意味について解説していきます。
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