映画「15時17分、パリ行き」は、クリント・イーストウッド監督の最新作で、事件の当事者が映画の中で本人を演じるという、ちょっと画期的で実験的手法の映画です。日本公開は2018年3月1日。

映画に登場する登場人物のほとんどが、実在の人たちなので、有名俳優はほとんど出て来ないのです。

とてもいい映画なのに、何故評価が低いのか、映画のあらすじと感想を交えながらご紹介していきます。

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映画「15時17分、パリ行き」のキャスト

映画「15時17分、パリ行き」
【監督・脚本】 クリント・イーストウッド
【出演】
スペンサー:スペンサー・ストーン
アレク:アレク・スカトロス
アンソニー:アンソニー・サドラー
スペンサーの母:ジュディ・グリア、
アレクの母:ジェナ・フィッシャー



2017年作品 原題:The 15:17 to Paris ★IMDbスコア:5.0

映画「15時17分、パリ行き」のあらすじ

カリフォルニア州のサクラメントに住むスペンサーとアレクは、隣同士に住む幼馴染で2人はキリスト教の私立学校に通っていた。ふたりとも親は離婚し、シングルマザーの母親の元で育てられていた。学校の級友からはイジメられることも多かった。

いじめ 学校 子供
画像:いらすとや

彼等の母親は先生から呼び出しを受け、授業中に全然集中していないので、ADHDの可能性があるから薬を飲んだ方がいい、とも言われる程。(でも、母親たちはそれを受け入れる事はなかった)

それほど大きな問題を起こす事はなかったが、何かあるたびに校長先生の部屋へ呼び出される事が頻繁にあるようなタイプの男子学生だった。

そんな2人は、自分たちと同じように校長室へ呼び出される事が多いアンソニーとも、自然に友達になった。

銃に関心があった3人の内、スペンサーとアレクは学校を卒業後は軍に入る事になった。 一方、アンソニーは大学に進学。3人は、学校卒業後も時折連絡を取り合っていた。

画像:pixabay

スペンサーとアレクが軍の休みの間ヨーロッパ旅行をする事になったので、アンソニーもそれに加わる事に。 どこへ行くかは、その時の気分次第。パリへあんまり行く気がしないな…と言いながらも、チケットもあるしな〜とオランダのアムステルダムから、パリ行きの列車に乗る事になった。

そこで、彼等はとんどもない事件に巻き込まれる事になった。

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映画「15時17分、パリ行き」の感想

実話を本人たちが再現

この映画の監督はクリント・イーストウッド。 かつてはイケメン俳優として活躍していたのに、今や映画監督として大活躍中のお方です。最近は、実話を元にした映画を撮り続けています。

この作品も、実際に2015年に起こった列車内でのテロ事件「タリス銃乱射事件」をそのまま再現した内容なのです。

この作品が特に面白いのは、その事件に遭遇した本人たちが、そのまま自分を演じている事なんです(子供時代は除いて)。

そして、彼等が体験した事を映画の中でそのまま「再現フィルム」として撮っているのです。

たとえば、彼等がヨーロッパで行ったカフェやレストラン、クラブなども、本人たちが行った所へ行き、その時に着用していた洋服で、会話の内容とかも、その時の事をできるだけ忠実に撮っているのだとか。

ヨーロッパ イタリア ヴェニチア
画像:pixabay

だから、彼等がヨーロッパを旅行しているシーン等は、ごく一般的なアメリカから来た若者の旅行記を見ているような素朴な感じでとても自然です。

この位の若い男性は、やっぱり夜はクラブに行ってきれいな女の子と踊ったりするのが好きなんだ〜とか、飲みすぎて二日酔いになるんだな〜とか、そういう所がとても微笑ましいような気がしました。

★ 原作を読めば、もっと突っ込んだ内容がわかりそうですね。


列車のシーンも事件現場付近で再現

そんなごく普通の彼等が、列車の中での、恐ろしいテロ行為に遭遇した時は、自分たちが阻止するのは人間として「ごく普通の行動」だと言わんばかりに、一番前に立ち戦い、そして撃たれた男性を助けるのです。

この列車の中での事件も、実際にそれが起こった場所あたりで列車を運行させながら撮影したそうなんです。

アムステルダム パリ 列車

だから、すごい臨場感あふれる感じになっているんですよね。

また、この映画に登場する列車に乗っていた人たちの多くも、あの事件の日に実際に列車に乗っていた方たちが登場しているそうです。 映画の中で、銃に撃たれ重症を負ったアメリカ人の男性や、彼を支える妻も、実際その場にいた方々のようです。

自分が体験した事をもう一度再現すること、それが全世界で公開される映画になるって、考えてみたらすごい事ですよね。

もし私がその場にいたとして、こういうチャンスに巡り会える事ができたら…と思うだけでドキドキしてしまうほどです。

銃が発泡されなかった奇跡

大きな惨事になりかねなかった恐ろしいテロ事件は、アメリカ人若者たちの勇気のおかげで、一人も死傷者を出す事もなく無事に終わる事になりました。

私たちがこの映画を見て感動するのは、彼等は、自分たちは特別な事をしようと思って、テロを阻止した訳じゃなかったこと。 彼等はただ、ごく自然に先頭に立って動いた結果、テロを阻止する事に成功した、という点じゃないかな、と思います。

ここで、軍隊で働いていた経験が見事に生かされたんですよね。

テロリストの男が、スペンサーに銃の引き金を引いたのに、不思議に弾が発泡されなかった。 その時、銃に不具合が起こったからだったみたいです。 でも、これって実はすごい奇跡的な事ですよね!!!!

銃 ライフル
画像: pixabay

3人はフランスの大統領から、フランスのレジオン・ドヌール勲章を授与されます。 これは、フランスで最高の勲章として位置づけられているものなんですって。

ちなみに、日本人でもこの勲章を授与されている方が何名かいるのですが、ビートたけしさんもその中のお一人なんですよ。

3人が、大統領からメダルを授与されるシーンや、アメリカのサクラメントに戻ってきて街頭パレードをするシーンが映画の中に出てきましたが、うれしくて見ているだけで涙が出てきました。

男の子3人が大人になるっていうこと

今回、3人の子供時代を演じているのは、もちろん本人たちではないんですけど、学校で先生に叱られていたばかりの頃は、集中力もなくちょっとした問題児みたいな存在だったのに、こんなに大きく成長して立派になったのを見ると、ひ弱だった子供も大人になるんだな〜というのを、ヒシヒシ感じました。

中でも、アレクは子供の時は1番弱々しい感じだったのに、すっかりたくましく筋肉モリモリのイケメン青年になりました。

また、もう一つ忘れてはならない事…それは、クリスチャンとして育ってきた彼等が、毎日の生活の中で、いつも人を助ける事の大切さを感じながら生きてきて、それが、この事件で見事に実を結んだ事です。 とっても感動しました。

映画「15時17分、パリ行き」のまとめ・評価

いろいろ情報あいうえお 【映画の評価基準】について

この映画の半分以上は、このテロを阻止した若者たちの生いたちとか、ヨーロッパを旅行する様子を中心に描いています。

だから、「アクションものの映画を見たい」と思ってこの映画を見たら、退屈だな〜早くテロを退治するシーンにならないかな…と思う人もいると思うので、そう思ってこの映画を見ると、どうしても評価が低くなってしまうのかもしれません。

ドキュメンタリータッチの映画だし、メインに出てくる3人は俳優じゃなくて素人だし、テロリストとのシーンは最後に少しあるだけなので、そういう意味では「あっさりしすぎた映画」だと感じてしまう人もいるかもしれません。

でも、実はそれがこの映画のいい所で、監督の狙いだったんじゃないかな〜と思いました。

クリント・イーストウッド監督は、何度も撮り直すのではなく、映画を早撮りをする事でも有名だとか。今回のようなドキュメンタリータッチの映画では、絶対にそういう方法で撮る方がいい!と素人ながら私も感じました。

というわけで、私の評価は B です。

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